資産運用の初心者はまず何から始めるべきか。FPがおすすめする方法

お金、悩み、不安、モヤモヤ 資産運用

 「増えない給料と増え続ける税金」「減り続ける子供と年金」などのネガティブな言葉に、いつも”何かしなきゃ”と思いまながら、もう数年が過ぎてる。こんなことを感じたことはありませんか。他にも「資産運用を始めたいけど何から始めればいいかわからない。何から勉強すればいいの?勉強せずに始めると失敗するんじゃないか…」

 筆者にも、このような相談がたくさん寄せられます。なので今回は「資産運用の初心者はまず何から始めるべきか。堅実で簡単な方法」を解説していきたいと思います。

今回の内容はこちら

1.始め方は簡単。スタートは現状をしっかりと把握することから

2.投資の勉強をする前に、リスクなく確実に資産を増やすこと

3.失敗しない運用の始め方

 解説する筆者は、元々失敗しない資産運用方法を探すために証券会社に入社し10年間勤めました。その間にFPや保険、確定拠出年金、富裕層の資産運用、不動産などに関わる様々な資格も取得しました。その経験から学んだことを実践しつつ、現在は個人で株式・先物OP等の運用を行っています。

 では、さっそく本題に移りましょう。

1.始め方は簡単。スタートは現状をしっかりと把握することから

悩む人と一歩踏み出す人

そもそも今の自分の資産はいくらあるのかを確認する

 資産運用の相談をお受けする時に、意外とあるのが自分の資産額を把握できていないケースです。運用を考えていく前に、まず下記の項目を中心に確認して下さい。

資産:
・複数の銀行口座
・複数の証券口座
・企業年金
・保険の積立金
・不動産・車・カードなどのローン
・現金が金庫に…など

自分の収入と支出の額を項目ごとに整理をする

 次は、税引き前の総収入の確認と項目ごとに支出を確認しましょう。

収入:
・給与所得者(おおよその収入が決まっている方)はその税引き前の収入
・自営業者や一人法人の方は税引き前の益金
支出:毎月の支出の額(項目別)
・家賃(管理費・駐車場、住宅ローン)
・水道、電気、ガス
・食費
・外食費
・生活日用品
・インターネット、携帯代
・サブスクリプションサービス
・稽好品(タバコなど)
・保険料
・ローン
・その他(ガソリン代、習い事、医療費、ペットなど)

 ここでは、あくまでも収入と支出をしっかりと把握するだけで十分です。

2.投資の勉強をする前に、リスクなく確実に資産を増やすこと

はかどらない勉強をする人と着実に進む人

 収入と支出が整理できたら、いざ運用…の前に。まず、リスクなく確実に資産を増やすことができないかを検討して下さい。なぜなら、運用の目的は資産形成だからです。100万円を年率5%で運用に成功しても、資産は5万円しか増えません。それよりも堅実に、収入と支出の各項目を見直すことで残せる金額の方が、はるかに大きいことがしばしばあるからです。

収入を増やす

  1. ポイントカードやポイントサイトを積極的に利用する。
     実際に筆者も毎年沖縄旅行に行っていますが、その飛行機代も宿泊費も全てポイントだけで行っています。

  2. 株主優待を活用する。
     筆者も株主優待だけで、例年30万円~60万円相当のクオカードや各種チケット、米や特産品などを頂いています。こちらは多少の費用はかかりますがノーリスクで生活の質を高めることができます。

  3. スキルを活かすなど副業をする。
     本題ではありませんが、最近はココナラやランサーズなど、個人のスキルを活かすことができる場所が簡単に見つかります。詳しくは話しませんが、興味がある方は一度調べてみることをお勧めします。

支出を減らす

  1. 食費(自炊と外食の予算の設定、コンビニの利用を控える)
  2. 電気代(契約アンペア数や電力会社の見直し)
  3. 携帯(キャリアやプランの見直し)
  4. 保険(そもそも必要な保険なのか、保険料を下げられないか検討)
  5. カードローン(リボ払いなどで高い利率のものはないか、借り換えを検討)
  6. サブスクリプション(何カ月も利用していないサブスクも最近はよく見かけます)

    他にも収入から引かれる所得税・住民税・社会保険料を節税する事もできます。
  7. iDeCoや企業年金等の所得控除
  8. 生命保険や地震保険等の保険料控除
  9. 住宅ローン控除
  10. 扶養控除
  11. 医療費控除
  12. ふるさと納税など寄付控除
    その他にも、社会保険料の節税や、個人事業主や一人法人なら検討したい節税等があります。

 これら、不要な支出を減らすことや用意された制度をしっかりと活用することで、リスクなく資産形成をはかることもできます。ですから、個人的には運用を行う前に、まず収入と支出を見直す事の方が優先されるべきだと考えています。

3.失敗しない運用の始め方

 では、ここまでクリアしたらいよいよ運用を考えましょう。ただ実際は、これまでの内容をしっかりと実践された方は、既に資産形成の第一歩を踏み出していると考えて良いでしょう。今後の人生が長いことを考えれば、月1万円の余剰ができるだけで生涯では数百万円の違いが出るからです。

 改めて、資産運用で失敗しないポイントは次の3ステップです。

1.老後資金の目標額を決める

2.目標額までは「長期、分散、積立」の考えを基に計算して、月々の積立額を設定する

3.それでも余裕資金があれば、中期、短期の投資を狙う

 まずは、老後資金の目標を決めましょう。とは言っても先の事はわかりませんので、ざっくりとした数字で十分です。「3000万円とよく聞くから」とか「それほど期間が取れないから2000万円」などでも良いと思います。大事なことは今行っている資産運用の目的をはっきりさせることだからです。目的がはっきりしていないと、長い運用期間中に「あっちの方が儲かりそう」などの甘い誘惑や、下落時のプレッシャーで途中解約してしまう人を何度も見てきたからです。

 では、目標の金額が決まったら「長期・分散・積立」投資を基に計算して、月々の積立金額を計算しましょう。具体的な計算方法や投資の方法についてはいずれ投稿致します。ただ、一般的な方法でも積立額が意外と少なくて済むことに驚くでしょう。

 これで、老後資金準備はひとまずOKです。後は先ほど述べた通り、目的を忘れずにただ続けて下さい。これが、とても重要なことです。では最後に、それでも資金に余裕がある方や、リスクがあっても早く資産を増やしたいという方は、相場を分析しながら中期投資・短期投資を検討して下さい。

 今後の投稿で具体的な方法を紹介させていただきます。

 

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